Voyage en France_Vol.4

滞在3日目は白ワインの聖地と言われる、シャサーニュ・モンラッシュ&ムルソーへ。
遠い国から見ていると、「ワイン」ってなんだか華々しく感じることもあるけれど、生産地、醸造所を訪れると「ああ、すべて季節の巡りと日常の延長にあるものなのだ」という安堵のような、そんな気持ちを感じたのでした。

Voyage en France_Vol.3はこちらから。

1軒目はシャサーニュ・モンラッシュ村へ。
採石地としても有名なようで、歴史的建造物に使われているようです。パリのルーブル美術館のピラミッドの敷石に使われている大理石もこちらの一帯から採石されたものなのだとか。

Jean-Noel Gagnard(ジャンノエルガニャール)

入口横のドアの感じがなんとも素敵でした。

醸造過程とその様子を見学させていただきます。

醸造所に入ると、ちょうどステンレスタンクの清掃中。
下から覗くと長靴が、上から手が出ているの、わかりますか。笑!
驚いていると手を振ってくれました。

たんまり葡萄ジュースの状態。

発酵中のタンク

樽詰めされて熟成を待ちます。木樽にチョークで手書き、さりげないところが可愛いですね。

聞いてみて、と上部の栓を開けてくださいました。そっと耳をあてると、コポコポと発酵している音が聞こえます。なんだか繊細で愛おしい音です。

樽と並んで、焼き物の壺で熟成を待つワインもありました。
今もジョージアなどにあるようですが、その昔は焼き物の壺を土に埋めて熟成していたという話も聞いたことがあるので、再現しているのでしょうか。何がベストなのか、研究を続けられていくのですね。

試飲場所は少し離れたところ、葡萄畑を眺めながら、てくてく歩いて移動します。
石垣や城壁で囲われる葡萄畑。

ワンちゃんがこっちだよ〜と先導してくれています。
右が試飲会場への入口。ワインや自家製コンフィチュールも買えるショップになっていました。

試飲させていただいたワインはこちら。

とてもエレガントな、という表現がいいのでしょうか。滑らかで柔らかいワイン。素敵なラベルデザインのイメージとぴったりな味わいでした。手前にあるのが石灰岩。繊細で柔らかな果実味を育ててくれているのですね。

みなさん、ショップでたんまりとお買い物をして、名残惜しく後にしました。
それにしてもワインやコンフィチュール、後からはマスタードなど、瓶ものは重い・・・。

バスでムルソー村へ移動してランチはこちら「La Goutte d’Or」(グットドール)

フランス人シェフのご主人と日本人マダムが切り盛りするお店です。

マスタードイエローの効いた内装の色合わせがとても素敵でした。

オーダーしたワインのラベルデザインが、内装材、照明と心地よくリンクしていて、ほっこり。

いんげんのサラダ、とても美味しかったです。フランスのインゲンは細くて味が濃い。
奥様が日本人でいらっしゃるからか、和食器の雰囲気がある器のセレクトで素敵でした。後から入っていらした少し年配のご夫婦はとっても大きなピザを食べていました。フレンチだけではないようです。

ランチの後は2軒目のドメーヌへ。

Yves Boyer Martenot(イヴ・ボワイエ・マルトノ)

左右非対称なこの感じ、でもなんだか落ち着く色合いとバランス、埋め込まれた像、窓辺のベンチ、スッと伸びる1本の木、素敵でした。

中に入ると、ちょうど収穫された葡萄が運ばれてきたところでした。
じゃんじゃん採れたての葡萄がタンクに入っていきます。

スクエアのタンク。今年の収穫を手伝ったみなさんがサインをしていかれたのでしょうか。みんなで盛り上がってサインをされたのかな。楽しかった様子、チームワークを感じますね。

熟成はオーク樽と卵型の木樽、そして卵型のセメントタンクがありました。この形状で熟成させると、待つ間に中で柔らかな対流が生まれて味わいに影響を与えるのだとか。

こちらのドメーヌの特徴的な景色。バックにある間接照明がより幻想的に見せてくれます。

試飲させていただいたワインはこちら。
私は知らなかったのですが、その昔ブルゴーニュ市長(フェリックス・キール氏)が食前酒のカクテルとして、クレーム・ド・カシスをアリゴテ品種の白ワインで割ったカクテル「キール」を推奨したのだとか。
アリゴテの特徴の酸味を抑え、消費を促すための政策であったようです。
一番右のロゼシャンパーニュはもう家族消費分ぐらいしかないのよ、と言いながら開けてくださいました。

どちらのドメーヌも説明の中に必ずこの地の土壌の話がありました。
粘土質、石灰岩、ミネラル、土地ごとの土壌の違いがそれぞれの個性を作り出し、葡萄を美味しく育てるということが体験としてよくわかりました。これまで机上での説明が自分に入った感覚。


「神様に祝福された土地」と言われるブルゴーニュの土壌の成り立ちがよくわかる動画を見つけたのでこちらからどうぞ。

Continuer・・・

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