鴨川の前情報、お楽しみいただけましたでしょうか。(お読みでない方はこちらからどうぞ→→→)
では、ここからが本題。今回の古民家再生のプランニング、「空間デザイン心理学®︎」のチームで実際にどのような手順でプランを進めていくのか、順序立ててご説明してまいりますね。
STEP:1
クライアントさんから図面や間取りの情報をご提供いただきます。
できれば実際にお会いします。このご時世でZoomでやり取りが中心になるでしょうか。
住まいに対するある程度のご要望や住まいの背景(新築なのか、リノベーションなのか、そこに至る経緯など)、家族構成、など基本的なヒアリングをさせていただきます。
STEP:2
現場調査へ。必要箇所の採寸と周辺環境、空間の雰囲気、今回は前述したような鴨川の今の様子もたくさん拝見させていただきました。お二人が新天地でも多くの方々に協力をいただける関係性や雰囲気を感じました。
STEP:3
当日、または後日に「LDNメソッド™️」を用いて「深層ニーズヒアリング」を行います。
お住まいになられるご夫婦それぞれ別々にヒアリングの時間をいただくようにお願いしています。チームでお受けした場合、メンバーが5名おりますので同日に2班に分かれてヒアリングも可能です。対面でもZoomでもどちらでも大丈夫です。
この、夫婦別々にヒアリングすることはとても大切です。お互いに普段言えていないことや本音の部分が出てきたりします。ヒアリングは「短いポジティブな言葉」でお答えをお願いするので、不平不満は出てきません。基本的には。。。笑。
その結果はこのようなシートになります。こちらに解説書を付けてプランと一緒にお渡しします。(H様の許可を得て掲載させていただいております。)頭と心の中身を見える化するので、共通認識を持つことができます。
また、私は「住空間収納プランナー」でもありますので、持ち物の量と使い勝手も具体的な数値でヒアリングさせていただきます。
STEP:4
ヒアリング結果をもとに、チームでリノベーション案(間取り)を構築します。この住まいで感じていたい感情は何か、お二人にとって大切にしたいものは何か、どんな日々の状態・環境を望んでいるのか。
全てご本人の内側から溢れ出てきた希望の状態なので、ブレることがありません。時には自分でも思ってみなかった大切なことが引き出されていきます。予算や条件など一旦外して答えていただくので、より「本当はこうしたい」という気持ちも表れてくるのですよね。
STEP:5
プラン提案を心理学的な視点と機能面とをわかりやすく解説します。今回は基本的にはA・Bの2案でしたが、経緯がいろいろあり、最終的にご提案前にD案としてまとめました。このようなプランになりました。
メンバーのパースが温かみがあって表現力が素晴らしいので、いつも感動しています。私は個人的に日本の「イザベル・ボワノ」と呼んでいます。笑。
今回はご自身と近隣のお仲間で古民家再生をされていかれるので、設計&施工管理までは入りません。プランニングのみでした。
提案後のいただいたご感想、
「私たちの希望が全て備わったプランです。気持ちのこもったプレゼンをありがとうございました。ほぼ、このまま採用したいと思います。」というお言葉をいただきました。
よかった点として挙げられていらしたのはやはり夫婦別々の「深層ニーズヒアリング」。ヒアリングが終わった後も、お互いに話した内容は伝えてはいなかったようですが、出来上がったシートを見ると、お互いへの感謝の気持ちがこもったラブレターのよう。面と向かっては言えない気持ちを理解しあえて、より信頼関係を深められたのではないかしら??と思います。
夫婦や親子の関係は近すぎて気付けないこと、時に甘えがあったり配慮に欠けたりする(←これは自分の戒めです。。笑)のでとてもいい機会になるのではないでしょうか。
そんなこんなで鴨川の古民家再生は緩やかにスタートしていくようです。まずは清掃から始まっていくご様子。いい季節になり暖かくなってきたので、活動しやすいですね。
も少し、後日談がありますが、またそれはこちらで。
そうそう、私はこちらの古民家近くの鴨川釜沼地区の棚田オーナー制度にも参加することになりましたので、しばらく経過を追いかけていきたいと思います。