圧倒的に収納が足りない。

一般的なマンションにおいて、「収納が充分に足りている」と感じられるお住まいは、もしかしたらほとんどないのではないでしょうか。
間取りの数を多く見せたいと思うがあまりに部屋は細切れにされ、収納はほんのちょっと。しかももっとも使いやすい動線上には、収納がほとんどないことが多いです。
しかも、子供部屋になるであろう洋室のクローゼット収納はW45cm!なんてことも。衣類を掛けたハンガーの厚みが平均5cmとしたら、たった9着しか掛けられない。。。
平米数のあるゆったりした間取りや、廊下収納が考慮されていて「収納が大事」という理解が深まり始めてからの設計は「考えられているなあ〜〜」と思う間取りもときどき見かけますが、ほとんどのマンションでは収納が足りないことが多いのことが現状です。

#収納設計
#造作家具
#クローゼット収納

暮らしや持ち物の量を間取りに合わせるか、ライフスタイルに合わせた収納を用意するか、悩ましいところです。断捨離をしたとしても、一定の家族の所有物は固定物として存在しますし、家族それぞれに趣味や習い事、部活、などに伴う変動するモノがあります。

今回、収納を増やすための造作家具を納品させていただいたS様は、決してモノが多いほうではありません。
たくさんの住まいを拝見してきていますが、どちらかというと少ない方に入るかと思います。しかも、しっかりと把握して管理されていらっしゃいます。

それでも、日々の動き方やライフスタイルにおいて、新築マンションに引っ越してすぐに住みにくさを感じていました。

・入れる予定だった家具がことごとく予定通りに入らない。梁問題もありました。
・ソファを配置したところに通気口があり、冬は寒い。
・ダイニングテーブル設置予定の場所に干すクリーンがあり、共働きのご夫婦は室内に洗濯物を干す日々、ダイニングセットを置くことができない。
・圧倒的に収納が足りない!!

住み始めてからわかったあれこれ、待ちに待って楽しみなはずのご新居に暗雲が立ち込めていました。
誰に相談したものか、、、あれこれ検索してくださってsuzukuriを見つけてくださいました。

S様はご夫婦間でも、相手がどのような暮らしが理想なのかを知りたい!と思ってくださり、空間デザイン心理学®︎のLDNメソッド®︎のヒアリングもご夫婦で受けていただきました。
家全体の暮らしやすさを求め、毎日家族が笑顔で暮らすためにどうしたらいいのか、トータル的にご提案することができた案件のひとつです。

造作クローゼット

ご夫婦の寝室にもクローゼットがあるのですが、L字型で小さく、またリビングからも遠いため動線が悪い場所にありました。こちらは冠婚葬祭用など頻度の低い衣類を収めていただき、リビングに近いお部屋にクローゼットを設置することにしました。

面材はすでにあるクローゼットの扉と同じ面材を探し、まるで最初からここにあったかのように造作することができます。

細かいところですが、奥行き60cmほどある上部の棚は使いにくい。棚板を前後2枚に分割しておくと、活用範囲も広がります。

事前にモノの量を採寸し、奥様の衣類はパイプ2段に。

ご主人のクローゼットは底板を最初から入れずに、使いたい引き出しをもとにW寸法を合わせています。自由に設計できる造作家具のいいところです。ご自身で管理されているスーツ収納は圧巻でした。

コートやスーツなど、毎日洗濯やクリーニングはしないけれどもすぐにクローゼットには戻したくない服の一次掛けスペースもいい感じの梁下に設けました。

リビングのすぐ近くにHUB的なデスク

クローゼットと共に、書棚とデスクを設置。こちらも同系色のツートンで素材を選びました。

デスク下にもちょっとした収納を設け、煩雑になりがちな配線まわりをスッキリと収納できるようにしました。最初は子供部屋にする予定でしたが、家の書類や連絡事項などを家族が確認できるようなHUB的な役割をする場所に。ダイニングやキッチンにそれらの書類が溢れがちです。

廊下に収納とコート掛け&鞄置き

動線上にちょっとした収納と日常ですぐに使うものが置けるようなスペースを。一番便利かもしれないですね。
(施工後の写真を撮影し忘れ、まだ扉がついていない途中段階です。。。)

キッチンに棚を増やす

キッチンにも納まりきらないモノがランダムにありました。キッチンはコックピットのように、2〜3歩内にあれこれあるのが理想です。ガチャ柱を加え、オーダーの棚板は角を丸くしました。
本当は扉で隠せるといいですが、見た目の素材や色を揃えていただくことでカバーしていただきましょう。

そして最後に何より大切だったのは、干すクリーンの位置(洗濯物の位置)を変えることでした。いつかは洗濯乾燥を使うようになるかもしれませんが、小さいお子様がいらっしゃるとやはり便利な機能です。
窓際のダイニングスペースにあった干すクリーンとは別に、クローゼット部屋のエアコン前に干すクリーンを設置しました。引き戸を閉めれば、ごちゃごちゃが目には入ってこないように。これは日常において、視界から発生するストレスを軽減することができます。

施工業者さんもとても丁寧な仕上げをしてくださいました。
養生も、作業途中の整理整頓も、後のお掃除も、美しかったです。

このように一度にまとめるとあっという間に設置したように感じられるかもしれませんが、ひとつひとつ暮らしのクセやご希望を考慮しながら、使い勝手を確認しながらじっくり進めていきます。
提案した後に、暮らしに反映してみていただき、本当にそれでいいと思うかを確認していただく作業を繰り返します。じんわり浸透するように打ち合わせを進めることができると、リバウンドや後悔もなく満足のいく仕上がりになります。

足りない収納を増やすことがベストな選択肢なのかどうか?そんな迷いも含めて、いつでもお気軽にご相談ください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA