照明計画のスタイル

先日、実家の照明を交換しました。(写真は星野リゾート「青森屋」にて)
築50年超えの戸建はなかなか味わい深いことになっていて魅力的です。

両親がマイホームを建てる時、どんなコンセプトで建てたのか、、、家にはキッチンから繋がるカウンターバーがあります。幼い頃にはカウンターのハイチェアに座り、父がシェーカーを振ってくれた記憶(中身はソフトドリンクのはず)。棚には色とりどりなカクテルに向くようなブルーキュラソーやバイオレットのお酒が並んでいてとても綺麗でした。
昔ながらの応接セット、革張りの白いソファとガラスの大きなシャンデリア、グリーンのペルシャ絨毯のようなラグ、今はちょっと変わりましたが、私の原風景は記憶と共にそこにあります。あれから50年近く経過し、なかなか家は老朽化して傾きつつはありますが、母一人で庭の手入れをしながら頑張っていてくれています。

家のメンテナンスはオットと二人で時々行きます。庭の木を切りたい、石砂利を敷きたい、壁を塗りたい、屋根を塗りたい、先日は古い配管をやり直しました。この辺りはオットの仕事。綺麗な水が出るようになって、それはそれは喜んでおりました。
私の担当としては、昨年は家を片付け、ソファを入れ替え、今回は照明交換のご依頼が。

私、実は照明計画がいまひとつ苦手です。。。どうしても暗くなってしまうのです。我が家も14畳のリビングダイニングに、40Wのシャンデリア球が2灯、という照度。その塩梅が合う方とはいい感じに整うのですが、夜もしっかり明るくしたい方にはちょっと提案も悩みます。今回は後者、まして高齢の方にとっては明るい方がいいですよね。

でも、空間デザイン心理学®︎を学び、生態学的な視点から考えると、やはり人間は動物なので夜はギンギンに明るくしないほうが、眠りへの誘いになるのではないか、とも感じます。仄暗くして、キャンドルの明かりで補うぐらいが、きっと人間の摂理に合っているのですよね。
建築家の友人の自宅は電灯・電球が一つもない、と聞きました。家中、本物のキャンドルだけで暮らしているそうなのです。もしかしたらちょっと私の理想的な空間なのではないかしら、、と思いました。いつかやってみたいです。

今回の照明、またまた私は暗い方へと交換してしまい、、、失敗してしまったかしら、と不安になりました。「一晩様子を見てみるわ」という母。次の日に電話してみると「ちょっと暗いけど、なんだか懐かしい感じがして落ち着く」との声。あ、やっぱりこれもよかったのかも??と思える瞬間でした。

メインを暗めにして、壁にあてる照明で柔らかく補ったり、高齢の方にはLEDキャンドルで炎の揺らぎをプラスする、なども雰囲気があっていいのかもしれません。

照明計画のスタイルにも個性がでます。ご自身と家族が落ち着く照度、足すものを用意していくのもいいのかもしれません。グリーンなども取り込みながら、程よいバランスが見つかるといいですね。

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