昨年、学んだ空間デザイン心理学®︎。心理士の課題で、とても短いものですが論文を提出しました。その内容は住空間によって心はどのような影響を受けているのか、学んだことから「自宅」を分析して提出するものでした。
我が家は私が一人暮らしをしていたマンションにオットが入居するという状況でしたので、家の中はほぼ私のモノばかり。。。全てが私の縄張りのような家ですので、その点が居心地悪いのではないかと少し気になっていました。(しかも潔く何もかも捨てて、ほぼトランクひとつで引っ越してきました。)
また、何度かイランへ訪れるたびに、イラン人の自然との共存のしかたは私の周りにはない体験でした。そして私の縄張りばかりの部屋はなんだか申し訳なくて、心理学を学ぶ前から彼と共通していてお互いに好ましいものを取り入れていた点がいくつかあり、それを分析していくと不思議と自然への愛着につながっていたのだな、と気づくことができました。
私なりの分析とその説明のために、課題論文の中で取り上げた「バイオフィリア仮説」(Keller&Wilson,1993)。「人間は生得的に自然や生物(バイオ)そのものに愛情(フィリア)を有しており、潜在的に他の生物との結びつきを求める傾向や本能がある」というもの。「人の起源を500~600万年前とすると、そもそも人が森林から出て暮らすようになったのはこの数万年、森林や自然に対する愛着はDNAレベルで刻み込まれている」(森林起源仮説(宮崎,2003)ということから、我が家に取り入れている「自然との共生」や「彼の原風景」を分析しました。
石の床
コロナ禍になって外出ができず時間に余裕ができた時、黄色いフローリングが嫌で2mmの天然石を床に貼りました。石の床、施工の様子→→→
イランの家はほとんど大理石の床にペルシャ絨毯が敷き詰められています。我が家は絨毯を敷き詰めるまではいきませんが、石材の床で少し再現?。空間デザイン心理学®︎を学んでから分析すると、石に変えることで少しはオットの原風景になるのではないかと思ってセレクトしたのだな、と思い返すことができました。
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鳥の囀り
イランで見かけるペットショップはほとんどが小鳥専門。バザールの軒先には鳥籠が下がっていて、これは商売繁盛を意味しているらしく、まるで招き猫のようでした。ザワザワと喧騒なバザールですが、鳥の囀りが聞こえると不思議と気持ちがリラックスしたことを覚えています。
週1回ぐらいは家の中に小鳥を放つのですが、これまた偶然にも海で拾ってきた流木を天井近くに取り付けていたので、いい感じに休憩場所になるようです。落とし物には注意です。。。
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コロナ前に鳥と猫を飼い始めたことは私自身もとても救われた気持ちがしています。動物を観察しているだけでも学びは多く、わたしたちの日々と心を豊かにしてくれています。
炎のゆらぎ
これは人間の原点だと思いますが、炎への憧れはとても強いように感じます。彼曰く、イラン革命のイスラムになる前(おそらくゾロアスター教のこと)は「炎」が神様だったとか?「火炎崇拝」火を神様として崇拝していたそうなのです。イランのヤズドにはその聖地があり、1500年以上も燃え続けている炎があるのだとか。火は神聖なものだから火葬はしない(人を焼いて火を汚さない、ということ)、そして土を汚さないためにも「鳥葬」を行なっていたという場所。いつか行ってみたいです。
キャンドルの炎を前にすると誰もが心鎮まり、神聖さを感じます。家に暖炉を取り入れることが夢です。
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花とグリーン
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ささやかですが、バルコニーには小さな樹木(柘榴とオリーブ:これもイランの象徴的なもの)、室内にもグリーンと花を欠かさないようにしています。ないと寂しいですし、インテリアの完成には欠かせません!
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バイオフィリックデザイン
そのように、空間デザインの中にバイオフィリア仮説を適用し、自分達は自然の一部として共生の感覚を取り入れているデザインを「バイオフィリックデザイン」といい、最近のオフィスデザインでも特に重要視されているようです。人間の幸福度や認知機能、問題解決思考、などさまざまな能力が高まるという研究結果もあるそうです。
また、コロナ禍で在宅ワークに慣れ、何のために会社へ行くのか、「会社」という空間を行きたいと思う環境にするためにも必要な要素になっているそう。
現在、進めている案件のふたつがたまたま園芸会社のオフィスと個人経営のフラワーショップです。より一層「バイオフィリックデザイン」が気になります。そして暮らしやオフィスに自然の要素を取り入れるとパフォーマンスも上がり、充実した環境になるのだと改めて確信しています。
いかに自然に近い環境に「自然」にデザインするか、インテリアデザインに求められていることですね。
大変勉強になりました。
室戸は、一日中鳥のさえずりが聞こえますよ!
ぜひ、ご主人といらしてください!!
コメントありがとうございます!年内には必ず行きたいと思っています〜〜〜