家にもノーリング収納を。

撮影のスタイリングの手法などで最近耳にする「ノーリング(knolling)」

端的に言えば、平行・垂直を意識した配置方法でしょうか。

Instagramでもお花や趣味のものを使って、そのような投稿画像をときどき目にしますね。

 

もともとはマルセル・ブロイヤーなどの家具を扱う「knoll社」において、建築家でありデザイナーのフランク・ゲーリー氏の家具を作る際に生まれたメソッド。

なのでknolling(ノーリング)なのですね。

家具メーカーの工場や工房などを訪れると、その工具や治具の整理整頓の仕方にホレボレしましたが、そこからきていたのかもしれませんね。

工場などは特に誰にでもわかるように収納する、関わる人が多いほど大切なポイントです。

 

そのメソッドは

1、使っていないモノをより分ける

2、使っていないものは片づける

3、使うものを似たもの同士でグループ分け

4、アイテムすべてを平行・または垂直に並べる

さらには、その出し入れの動作が「片手」でできるように配置されていることが原則です。

 

家の中でも同じことが言えますね。

先日も洗面所の収納のご相談をいただきました。

浴室が併設され、脱衣所兼、洗濯機がある洗面所の収納はキッチンと同じぐらいコンパクトに動線に合った収納が必要です。

特に洗濯のしかた、干し方でその場に必要なモノの量に伴い、収納も変わってきます。

 

脱衣はどこで行うか。

洗濯ピンチはどこに置くか。

どこで洗濯物を干すか。などなど。。。

新築収納コンサルティングの際にも、特に念入りにお打合せするところです。

 

こちらのお宅では、

洗濯機の上にハンガーパイプあり。

洗濯してすぐその場で洗濯ピンチにかける。(いつも2台使用)

ベランダの物干しへ持っていく。

という動線でした。

 

よく聞かれるのは洗濯ピンチの収納方法。

お客様のご希望によっては見せたくない、ということもありますが、今回のケースは、「毎日のことなのですぐに使えるようにしたい」というご希望で打ち合わせの結果、下記のように使用することになりました。

 

ジャストサイズの位置に、垂直にL型のフックを。

 

 

これもひとつの「ノーリング収納」かもしれません。

家の中でも取り入れられるノーリング収納メソッド、キッチンやリビングなど壁や引出の中を利用するとまだまだありそうです。

しまう収納と見せる収納、両立して混雑しないスムーズが暮らしができるといいですね!

 

 

収納視点の間取り

先日、住宅デザイナー タブチ氏の「住宅デザインセミナー」に参加してきました。

AM10:30~16:30までみっちりと学べるセミナーです。

東京八重洲で開催されたセミナーには山梨県、福島県、愛媛県、富山県など日本中から集まってこられていました。

関東からは私だけ・・・。

さすが、全国区で活躍されているデザイナーです。
タブチ氏が建てる家の間取りで重視することは、採光、動線そして収納!!

いつもその間取りには「なるほど・・・」と感じる要素が満載です。

私たちが「収納コンサルティング」でいつもお伝えする内容もかなり盛り込まれ、建てる前からしっかりモノの行き先が想定されていました。

2016-11-29-11-41-11

このイラストタッチな図面の描き方を学びたく、今回参加させていただきました。

限られた土地にも、しっかり生活に必要な収納場所を確保されています。

なかなか図面を見慣れないお客様も、温かみのあるこの図面だと暮らしているイメージをつかみやすいようです。

 

タブチ氏の建てる家はデザイン性も重視し、ディテールにこだわった建築資材をセレクトされて、何よりもその打ち合わせにとてもエネルギーを注がれていることがセミナーでわかりました。

おざなりな打合せは決してしません。

ただ図面を拝見しているだけでは想像できなかったその背景を、知ることができました。

まさにヒアリング力。。。

いつも収納コンサルティングなどでヒアリングしているような、朝起きてからの行動や洗濯の干し方、根菜の貯蔵のしかたからごみ箱の数・位置、ドライヤーのしまい方、等々、を聞くことは当たり前。

その先の隠れているニーズをどのようにキャッチするのか、無理やりお客様に「Yes」と言わせてはいないだろうか、営業力までつけていただけるような内容でした。

充実していておなか一杯。。。

 

デザインのお話もたくさん聞くことができました。

suzukuriの「壁面デザイン」でもちょっと使ってみたいこちら。

 

2016-11-29-11-41-16

 

コンクリート調の漆喰です。

フランスの石灰岩をベースにしているそうで、その微妙なニュアンスをもつカラーバリエーションはたまりません。

漆喰なので湿気も調整してくれるそう。洗面所やお手洗いなどに施工するのもいいようです。

こちらも是非、取り入れてみたいですね!

 

お客様からは「暮らすことがとても楽になりました。」と言われることが多いそうです。

暮らしてからもずっと満足する家づくり。

そして、その「家」に暮らすことがワクワクするような家族を、たくさん増やしているのだな〜〜と実感いたしました。