収納を見せる?見せない??
そんな収納のセオリーを課題としたセミナーに参加してきました。
雑誌モダンリビングの発行人・パブリッシャーである下田さん。
これまでにも何度か下田さんのセミナーを拝聴していますが、その言葉のセレクトや、本音で語る部分などが好きでついつい参加してしまいます。
セミナーならでは、の業界の裏話もちょっと聞けたりして。
今回は今年3月に新しく青山にオープンした「Rimadesio(リマデシオ)」さんにて、開催されました。
1956年にイタリアにて創業、ガラス工場からスタートしたのち、ミラーやガラス製品のプロダクト、ガラスとアルミニウムを使用した、デザイン性の高いユニット収納家具を製作されています。
引き戸などの建具、面材・棚板に至るまで、70色以上のガラスからセレクト可能、世界にひとつだけの収納・空間をつくることができます。
まさに、「見せる収納」として映える家具です。美しい・・・。
そんな素敵なショールームで、これまでのモダンリビングさんのお宅訪問撮影による「美しい収納」をたくさん拝見しました。
下田さんご自身の自宅マンションのリノベーション時の「モノとの向き合い方」の体験談もお聞きしながら、「美しい収納」とはどのように作られていくのか、維持するためにどうしているのか、海外の収納事例、それぞれの撮影秘話、なども織り交ぜながら、そのプロセスを語られていらっしゃいました。
印象的だったデンマークの家具デザイナー、ポール・ケアホルム氏の自邸。
いっさい、壁に家具はないのです。
生前、「壁に家具をつけてはいけない。家具は使っていないときはオブジェ、使うときは機能的であるべき」というポリシーを持っていらしたそう。。。
家具の在り方を考えさせられます。
「見せる収納」の域に達するためには、かなり「モノと向き合う」プロセスを必要とします。
本当に自分にとって好きなモノ、必要なモノ、は何か。
捨てる作業というより、多くの「好き」を発掘する作業を必要とします。
収納に悩む人にとってはなかなか高いハードルですが、残念ながら美しい収納にするためには、この作業が収納前段階として80%以上を占めるものです。
モノの優先順位を決めること。
下田さんも実体験された上でおっしゃっていましたが、それがもっとも大切なポイントだと思います。
自分なりのスタメン、一軍を意識することができれば、あとは動線上に暮らしやすく「見せたい、見せたくない収納」を構築するだけ。
さらに使用頻度によってその仕組みづくりができれば、日々こまめにリセットをするだけで毎日家は整います。
そんな暮らしが理想ですね。
参加された方がおっしゃっていたのですが、日本では「後片付け」という言葉があるけれど、海外では「次への準備」と表現される、と。
例えば、夜寝る前に座っていて乱れたソファをちょっと手直し、次の朝気持ちよく迎えるための準備をしてから寝室へ、そんな習慣のある毎日だといいですよね。
キッチンや洗面所なども同じことが言えると思います。
次に使う人、または使うときに、心地よく使用できるために整える。
その手直しだけで日々が整うぐらいにするために、モノと向き合う時間が必要です。
そう、言葉で言うのは簡単ですが、その域に行くまでの実作業はなかなか苦戦をするものです。
すずくりではそのような部分のお手伝いもいたしております。一緒にスタメン決め、習慣づくりをいたしましょう。