ここのところ、新築戸建だけでなく、分譲マンションの間取り(リフォームや建築オプションなど)を検証する機会も多くなりました。
先日、あるセミナーに参加したとき、これまで私自身に足りなかった観点を教わりました。
それは「防災」という観点です。
マンションの間取り、特に築年数が10~20年前後の間取りはこのような感じの「中廊下式」がほとんど。
これは、
・個人のプライバシーを守る
・部屋数を多くすることができる
・間取りプランも楽
・画一的だと材料費も抑えられる
などなど、の理由が挙げられるかと思います。
海外の間取りを見ていると、確かに、この間取りは少ないように感じます。
以前、訪れたことのあるスイスに住む友人宅も、イギリスで少しだけ訪れた知人宅も、イランの家族の家も、玄関を開けると解放的で、すぐに自然光が感じられました。
地震の多い日本。
中廊下であることは、地震のとき、家の唯一の避難口となる玄関周りは壁だらけ、となってしまうのです。
以前、インテリアの仕事で、新築マンションの内装チェックに入ることが多々あったのですが、入居前のマンションはブレーカーを落としているので、昼間でも玄関を入った瞬間、その先の廊下は部屋のドアまで、怖いと感じるくらい真っ暗・・・。
万が一のときにライフラインが切れたら、まさにその状態、「真っ暗!!」になるのですよね。
いかに自然光が玄関まで入ることが大切か、それは経験してみないと実感はできないのかもしれませんが、それによって想像することができました。
最近のリフォーム・リノベーションでは、減築や3LDK⇒1LDK+WICに、などと大幅に間取りを減らす傾向も多いようですが、そこまで大がかりなリフォームでなくても、防災対策としてできることはいろいろあるということを学びました。
その解決のカギは「壁!」にありました。
30年以内に70%の確率で起こると言われている首都直下型地震。
「防災」というと敬遠されたり暗いイメージがありますが、備えあれば憂いなし、ですよね。
これまでは収納部分と家事動線をメインに間取りを拝見していましたが、これからはデザイン性と防災の観点からの安全面も配慮して間取りや図面を見ていきたいな、と思います。
もちろん、これまでご提案してきている壁面収納やビルトイン収納は倒れてこない上に、耐震ラッチも組込むことができ、防災の観点からもとてもオススメです。
デザイン的にもあまりオススメしたくない、天井と家具をつっぱりで固定しているあの器具は、実際の横揺れの大地震のときには外れて飛んでいってしまい、何も役目をなさないそうです。。。
これから8~9月に向けて防災の意識も高まるとき、「美しく安全な住まいづくり」も探究していきたいです。