先日、suzukuriも登録しているhouzzにて、興味深いセミナーを聴いてきました。
英国インテリアデザイン協会BIIDとhouzzによる共催セミナーで、BIIDに所属する日本人メンバー澤山乃莉子氏と英国人メンバーのトップデザイナー2名による「建築とインテリアデザイナーの協業」という内容。
それはそれは素敵な空間の事例をたくさん拝見することができました。
以下、登壇されていたGREGORY PHILLIP氏による邸宅です。
一見、ちょっと敷居が高いようにも感じますが、抱える悩みは意外に近しいものがあるのかも??と思えるお話でした。
建築とインテリアデザインは車の両輪のようにお互いに必要なもの。
建築ができて満足なのではなく、初めからインテリアデザイナーが先導することで、下地の有無や家具があと1cm入らない、ここに見せる収納が欲しい、などの建物ができてしまってからの悩ましい問題も解決でき、あとから困ることがないという話もされていました。
予算の都合上、最後の仕上げ(家具やカーテン、アート)などを施主が引き渡し後にする場面もあるようで、思うような仕上がりにはならなくなってしまい残念だったという話もありました。(日本のBIIDメンバーの過去のお話でしたが。)
表現が面白いな、と思ったのは、「インテリアデザイナー」と「インテリアデコレーター(コーディネーター)」の違いの説明。
それはひとつの家の屋根を外して、家自体をひっくり返して振ったとき、落ちてくるものをセレクトするのが「インテリアデコレーター」、落ちてこないものを決めるのが「インテリアデザイナー」と表現されていました。わかりやすいですね!
そう考えると私たちも「収納デザイナー」となるかしら??
日本の住宅事情の場合、ここに「収納計画」も大きく絡んでくるのではないかと思います。特に私たちはモノが多い民族なので、それを外しては間取りは決められないと思います。
実際に英国でも狭小住宅が多く、モノは徹底的に見直してもらうそう。
そしてどこに一番スペースを使いたいのか、どんな時間を大切にしたいか、来客の頻度はどのくらいか、どんな暮らしをしたいのか、そのための間取り構成やインテリアの方向性をかなり綿密に打ち合わせると話されていました。
インテリアデザインとは単なる装飾ではなく、そのすべてが含まれて建築となっていくのですね。
「ヒューマニストプロフェッショナル」という表現をされていました。
施工したインテリアデザイン、デコレーションは何年経過しても位置などが変わらずそのままに存在しているそうです。
さすがプロフェッショナルの仕事ですね!
今までのようには家が売れなくなる時代、お客様のこだわりもさまざまに高くなっています。
家が売れるとき、建築とインテリアデザイン、そして含まれる収納スペースの計画も。それは欠かせないものになっていくのだな~と改めて感じるセミナーでした。