目黒駅から徒歩7〜8分のところにあるメゾネットタイプのマンション、フルリノベされたショールーム兼ご自宅にお邪魔してきました。入った瞬間からふわりといい空気を感じます。
グレーの壁面と印象的なアート、和紙を取り入れた建具など、「こだわりのある大人の女性が暮らす部屋」へとリノベーションされたプロジェクト、そしてその素材を拝見させていただきました。
家主は日本でオーガニックコットンの普及を続けている株式会社アヴァンティの創始者:渡邊智惠子さん。
常に地球の課題を先頭に立って向き合われ、数年前に「CCF(サーキュラーコットンファクトリー)」を立ち上げられたとのこと。
実は前職でお世話になったことがあり、偶然にも久しぶりの再会でした。当時、初めてお聞きしたオーガニックコットンの軌跡、このときに「エシカル」という意味を知りました。
内装は建築家の女性お二人がプロジェクトに参加され、女性ならでは(昨今、この表現はよろしくないかしら。。)細やかな配慮がありました。ちょっとした奥行きや収納アイデア、限られた空間を暮らしやすくするための配慮が随所にみられます。



何より、ビンテージマンションに近い築年数のため、室内温度を保つために断熱材やコットンボードを使用することで冬は暖かく、夏は涼しさを維持されていました。


天井や一部の壁にはホタテ塗料、間仕切りにはサーキュラーコットンの和紙を使い、国産の杉材やナラ材を取り入れ、綺麗な空気が循環する家になっています。


アートも素敵!
花もサーキュラーコットンを使用した和紙でできています。とても軽い。
衣類ゴミ、、、私たちは好き勝手に買っては捨てる衣服。。。
環境汚染第2位と言われているそうです。(間違いなく、ナンバーワンは建設業界ですよね。。。怖い。。)
ファッション業界からは年間9200万トンもの繊維が廃棄され、今後もこのゴミは増え続けていくという現状。
ファストファッションが流行り、その低すぎるコスト問題に対しても、その昔に観た映画「THE TRUE COST」で衝撃を受けたことがあります。
そしてその経済大国の皺寄せは、発展途上国と言われる国々が負担をさせられるという理不尽な関係性。
環境問題はその課題とツケが大きすぎて、果たして私ひとりに何ができるのだろう。。。と落ちてしまうこともありますが、購入決定は1票でもありますから、ひとりひとりの消費行動を変えていくことがその一歩につながると信じています。衣服だけでなく、色々な場面でも。
今回、5〜6年前に内装のお手伝いをしたCs Atelier(セス アトリエ)さんの改修工事にあたり、いいタイミングで出会ったこの新素材を打ち合わせの際にご提案してみました。

センスが光る姉妹で運営されているこのアトリエ、服好きでもいらっしゃるので意味のある素材に興味を持ってもらえるのではないかな、、と思ったのです。
ここのところ、いろいろとタイミングがいい!
これは自分にとっていい、というわけでなくて、人との巡り合わせやモノとの繋がりなど、心地よいタイミングでそれぞれが巡り合ってくれている結果、私も嬉しい!みたいな感覚です。
出会うべくしてそれぞれに繋がっていくと、選択肢を広げる必要もなくて迷うことなくスッキリとして潔く、心地よいものです。
内装材の提案をする際は施主と何かと繋がりやご縁のある適切な素材、総合的なご希望に寄り添った素材、をセレクトしたいな、、と常にアンテナを張っています。
そのために、意味ある素材や提案したいものかどうかを見極めて、自分の中の引き出しのバリエーションを整えておきたいと思います。
次の現場でどのような改修工事ができるか、そして改修後の新しい展開も楽しみです!