自分の「好き」を集める作業

年内の収納サポートもあと数件となってまいりました。

一昨日お伺いしたお客様より、インテリアのご相談をいただきました。

なんだか家のインテリアが今の自分にしっくりこない。。。

収納サポートの途中経過でそのような声をよくお聞きします。

モノと向き合い、改めて家とも向き合って、見つめて、見渡してみると、その違和感を感じ始め、収納サポートからインテリアのご相談に移行していくこともとても多いです。

 

そこでぶつかるのは、これからどんなテイストのインテリアにしていきたいか。

一人暮らしや引っ越し、結婚などを機にインテリアを一新されるならば、一からすべて自分の好みに揃えられるのであまり問題はないのですが、これまで何十年もずっと過ごしてきている家のインテリアを変えていくのは少しハードルが高くなります。

まして、これまでインテリアには全く興味を持つことはなく、自分がどのようなテイストが好みなのかの方向性も見えていないと、希望や選択肢はより多くなるので難しいですよね。

インテリアはファッションほど早くはないですが、大きな流行があります。

それが順々に降りてきて、商業施設などにあるアパレルショップのインテリアなどでなんとなくその流れを感じとることができ、よく目にするとそれが自分の好みではないか、と錯覚してしまっている場合もあります。

 

「なんとなく部屋を簡単におしゃれにしたい!!」

 

そう思われる方ほど、その傾向は強いように感じます。

最近ですと、その錯覚を起こしがちなひとつ、「ブルックリンスタイル」などがわかりやすいかもしれません。

あまりスタイルに分類するのは得意ではないのですが、ニューヨークのアパートメントをイメージしているスタイルでしょうか。(*画像はHouzzより

 

レンガ調の壁紙にヴィンテージ風な家具をミックスして、壁には黒に白文字のロールサインのようなアートを取り入れ、照明もちょっとレトロな感じを。。。

アパレルなどもその雰囲気なお店がグンと増えましたし、商業施設にある雑貨屋さんや100円ショップなどでもこの雰囲気を作り出せるアイテムなどが揃っています。

目にする機会も多いですね。

 

でも、少し立ち止まってみたいのです。

「本当にそのスタイルが好きですか??」

流行で目にする機会が多いから、なんとな~く「好き」と思い込んで取り入れたいと思っていませんか。

 

インテリアには流行はあるけれど、そうそう買い替えるものではありません。

壁紙やファブリック、アートは変えられるのでいいのですが、家具は機能性を含み、大きな方向性を示すものも多いです。

大きな流れを感じつつ、しっかりと自分の「好き」を見極めてテイストを絞り込んでいかれるといいのではないかな、と思います。

目指すのは「自分らしい」と感じられるようなセレクトがその先にあるかどうか。

 

収納サポートに何回か入らせていただくと、お客様ご自身でいいモノ選びができるようになっていかれます。

ムダに買うことがなくなり、欲しいものの傾向がしっかりと現れてきます。

きちんとしっかり自分の「好き」を極めていくと、それは独自の「センス」となって上昇していきますよ。

suzukuriでは、この工程をとても大切に思っています。

モノで溢れているからこそ、そこから磨き上げた自分の「好き」はより真実を帯びていきます。

 

suzukuriでインテリアのご相談をいただく際には、お家をまるごと拝見している場合が多いので、ファッションや持ち物などからはもちろん、最近では家電や雑貨、ベッドリネンなどからも、お客様の好みのその傾向を把握してインテリアのご提案させていただくことができます。

最近は家電もファッションの一部となってきていますね。

 

通常はその把握をして、方向性を示すのですが、今回のご相談は、考えられているテイストの家具などをご紹介しつつ、少し立ち止まってみていただいています。

ご提案の前にそうお伝えするととても納得をされて、「suzukuriさんの言うように、インテリア雑誌やインテリアショップをもう少し見て自分の「好き」がどこにあるか、もう一度見直してみます。」とお客様。

お仕事をいただけるのはとても嬉しいことなのですが、終わったあとの満足感や暮らしをもっと大切にしたいと考えます。

錯覚に隠れている本当の「好き」がもう少し見えてくると、納得のいくインテリアが出来上がるのではないかと思いますよ。

毎日をその場で暮らすのはご自身ですので、絞り込まれた自分の「好き」を重ねて、過ごす場所がホっとして寛げる空間になるといいですね。

 

 

 

 

 

快適な毎日のために。【目黒区 O邸】

先日は年明けからスタートするリフォームの最終打ち合わせへ。

目黒区にお住まいのO様は築年数40年前後のマンションに暮らしていらっしゃいます。

O様が入居されてからは少し経過していますが、前に所有されていらした方が、壁紙などを張り替えていらしたので、それほどの年数は感じません。

けれども、部分的にちょっとしたことがストレスになっていらっしゃるようでした。

ドアノブの緩み(何度治しても緩んでしまう)、ドア框の剥がれ、幅木の浮き、網戸の取り付け・・・などなど。

そして最大の悩みはこちら。

なぜか、ダイニングの壁の微妙な位置に換気扇の存在が・・・。

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入居してから一度も換気扇を稼働させたことはないそうです。

負圧の関係ですべてをふさいでしまうこともできず、職人さんともいろいろ相談して、極力小さくすることにしました。

修繕リフォームがメインですが、そこにも可能な限りで材質のセレクトにこだわり、費用を抑えて、でも好みのポイントは取り入れながら、打ち合わせを進めてまいりました。

カーテンや壁紙のショールームを一緒にまわったり、

 

気になるデザインのサンプルを取り寄せて、総合的にお部屋の照明や日中の採光に合うかどうか、など検証しました。

最終的にこちらの組み合わせで決定しました。

 

FARROW&BALLさんのペイントや輸入クロスもところどころにアクセントで取り入れ、こだわりのスペースを少しずつ設けることになりました。

湿度も気にされていらしたので、エコカラットを貼ることで換気扇を塞ぐ部分の段差も解消し、対策を取りました。

異素材を取り入れることで、お部屋にリズムが生まれ、目を引くポイントになりますね。

トイレのアクセントクロスはこちらに。

工事のスタートは1月に。細かな修繕を含めて、全行程で2週間ほどを予定しています。

仕上がりは年明けになりますが、こちらでまた書かせていただきますね。

 

 

 

知識の引出は無限に。

 

今年の秋はいつもにまして、知識欲がとても高まっているな、と感じます。

suzukuriでは収納のお仕事と並行して、インテリアコーディネートの仕事もしています。

「収納」と「インテリア」

よりご自身が望む暮らしを実現し、完成させるためには、切っても切れない関係だと実感しています。

先日もご提案させていただいた素材にお迷い中のお客様より「インテリアを選ぶことは収納作業と一緒ですね。」という声をいただきました。

膨大なカーテン生地や壁紙の中から、自分の「好き」を探索する作業。

これは自分の好みをはっきりと整理していないとできないのかもしれません。

それを客観的かつトータル的にサポートしながらご提案できるのがコーディネーターの役割であると思うのですが、最終的にひとつの案に決定するのはお客様ご自身。

確かに、なんだか収納作業と似ています。。。

 

お客様にご提案できる「知識の引出」をたくさん持っていたいので、ここのところできる限り、展示会や新作発表会にはなるべく足を運ぶようにしていました。

それでもまだまだ足りないぐらい、この秋のインテリア業界はイベントが盛りだくさんでした。

インターネットが主流の世の中ですが、画面だけではそのものの良さはわかりません。

やはり実物を見て、デザイナーの意図を聞き、体感をすると思い入れも変わりますし、お客様にご提案するときの言葉も変わってきます。

また、不思議なことに「次のお客様にご提案したいな」と思う素材に出会うと、そのような場面が生まれてくるものです。

 

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ときにはインテリアとは関係ないような展覧会などにも立ち寄ると、意外な引出を見つけたりします。

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昨日、偶然立ち寄りましたが、着る衣服や世界観はとても参考になりました。

本当に追いかけていくと無限にありますね。だからこそ楽しいのでしょう。

「グレース・ケリー展」12月1日(木)まで横浜ランドマークタワー5Fで開催中です。

50年代~70年代の雰囲気はやはりいつになっても憧れです。

自分らしく暮らす部屋づくり【大和市 K邸】

街中もクリスマスのディスプレイに変わってきましたね。

ハロウィンが終わると一気にクリスマスモードへ。。。毎年、この時期になるとなんだか焦ります・・・。

すずくりでは「壁面デザイン」をメニューに加えてから、小規模なリフォームにつながるようなご依頼が増えております。

先日お伺いしたK様。

新築から12年、そのときはバタバタとしていてじっくりとご自分の寝室までこだわることができなかったそうです。

ずっとなんとかしたい、とお考えでいらして、こちらのブログ記事をお読みいただいてご依頼をいただきました。

 

先日、2回目のお打合せへ。

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1回目にヒアリングさせていただいた情報をもとに、セレクトアイテムを決めました。

今回は、壁紙、シェード、家具、がメインです。

壁紙は先日発表されたばかりの「PURE MORRIS」がとても奥様の雰囲気にお似合いでしたので、ご提案させていただきました。

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奥様も大変気に入られたご様子でした。

壁紙に合わせて、シェード生地や家具の色を決めていきます。

家具はご要望に合わせて、チェストとドレッサーをフルオーダーにすることになりました。

樹種やカラー、引出1段のサイズまで自由に決められます。

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現在の収納量を考慮し、使いなれている引出の寸法なども反映できます。

 

お住まいにはお手入れの行き届いた素敵なベランダの植物も暮らしの様子が見られます。

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今回はあるサイトの取材も入り、密着取材のようなカタチで全行程がわかるような記事にもなります。

そちらは追ってご案内させていただきますね。

家具などを含め、年内には完成できるのではないかと思います。

「新年を新しいお部屋で迎えたいですよね。」そろそろそんな言葉が出てきますね。

2017年を迎える準備、大掃除なども含めて今のうちから余裕をもったスケジュールにして過ごせると理想的ですね!

ふふふ、私はできるかしら。。。笑!!

 

 

 

壁面を彩るいろいろ

今年の6月にすずくり(suzukuri)のホームページをリニューアルした際に「壁面デザイン」というメニューを新しく加え、とても好評をいただいております。

たくさんのお宅を拝見していると、壁面を活用せず白いビニールクロスのままのお宅が多いな~~といつも感じていました。

もう少し海外のように「壁面」を彩ると楽しいのにな、活用方法はいろいろあるな、暮らしが変わるのにな、という思いからサービス内容に加えました。

インテリアを完成させるうえでも、壁面の活用は必須です。

 

ただ部屋を仕切っているだけのものではもったいない!!

壁紙を張り替えたり、ペイントしたり。。。

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または機能性をもたせてお部屋の消臭・調湿効果のあるエコカラットを施工したり。

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もちろん、必要な場所でしたら収納を造ってもいいですし、見せる場所としてオープンシェルフや棚を設置してもいいですよね。

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お気に入りのアートやデザインを加えるのもひとつです。

 

選択肢はさまざまありますので、どれにしたらいいものか迷うもの。

リフォームも絡んできますので、どんな依頼先があるのか、街のリフォーム屋さんで希望のようにしてもらえるのか、いろいろ考えると躊躇されるようです。

*すずくり(suzukuri)では信頼関係にあるリフォーム屋さんにお手伝いをいただいています。

 

今回、ご依頼いただきましたO様からもそのような声をいただきました。

しっとりとした雰囲気のO様。

いろいろヒアリングさせていただきながら、お持ちの雰囲気に合わせてクロスやペイントの色、エコカラットなどをセレクトしてご提案中です。

 

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毎日、暮らす空間がより心地よく、その場所に住むことが日々うれしく感じられると、取り巻く環境が変わってきます。

住まいが心や状態を映す鏡ならば、「ココロ」はなかなか変えられませんが、逆に手の付けやすい住環境を変えることで「ココロ」も変わってくるのではないでしょうか。